ニューヨーク大学 歯学部の留学プログラム、卒業しました!

ニューヨーク大学 歯学部の留学プログラム。
世界TOPクラスの歯学部を擁するニューヨーク大学は、インプラントの卒後教育プログラムに注力していることで知られています。世界各国から留学生を募り、時代の最先端をいく医療やエビデンスといった考え方を万国共通にしようという試みからスタート。日本からの参加は14年前から始まっています。

ニューヨークには複数回行き、そのたびに10日間ぐらい掛けて公開オペの見学だとか、ニューヨーク大学を卒業して最先端医療の現場で活躍している臨床医、研究員に会い、お話しや講義を受講して学習を進めていきます。また、発展途上国において難易度の高いオペをニューヨーク大学の講師陣とともにハンズオンで学んでいく、というプログラムもあります。




こうした海外での研修において私が強く感じたのは世界の広さ、というか民族の多様性でしょうか。日本人とそれ以外の国の人ってものの考え方など、同じ人間であれど全然違うわけです。治療技術に留まらず、そういったところも非常に勉強になったりしました。また、海外の患者さんは治療に対する考え方・心意気というものが日本人とはまったく違うと感じています。常日頃感じていることですが、日本はものすごく恵まれていて、医療・治療に対する考え方、感謝とまでは言いませんが、そういった心持ちのところがものすごく後進的なんです。


海外の人っていうのは健康に対してとても真摯だし、真面目に考えています。全財産と引き換えにしても健全な身体・健康を維持する、という想いがものすごく感じられます。治療を施す側としてはとても責任重大なことですが、そのこと自体は僕らの考え方と一緒なんです。
僕らはなんのために診療をするかと言えば、患者さんに健康になってほしいから。でも元々の話しをすれば、そもそも悪くなってほしくないのです。そりゃ当然悪くなったら治療します。助けます。でも、日本人にはこの「悪くしない」という考え・想いが薄い。海外の殆どの国では「予防」という意識、考え方が浸透しています。家庭でもそう。義務教育でもそう。社会でもそう。「予防」の教育が確立されている。



僕が留学プログラムで一番学んだのは、そこなんですね。どれだけ素晴らしい治療技術を身に付け、患者さんに施しても、患者さんが幸せになれるとは思わない。僕は歯科医師である以上、スキル至上の技術屋でもあるので日々の技術研鑽、知識レベルの向上には努めるのですが、並行して患者さん自身にも「健康であること」の大切さ・「予防」の重要性、を理解して頂く努力というものを認識させられました。
留学プログラムで学んだ、世界的な大きな動きや流れ、日本に足りないもの。そうしたものを一人ひとりの患者さんの症例に応じて伝えていく必要性があるんだなということを、すごく感じました。


