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あべひろ総合歯科

東京歯科大学 大学院卒、博士号を
取得した歯科医師のいる歯科医院

親知らずが痛い!


埼玉県三郷市のあべひろ総合歯科、認定歯科衛生士の尾澤友梨です。

ほっぺたが腫れた!
   すごく痛いけれど、これって歯が原因なのかな?

最近、家族からこのような連絡がきました。
なんでも、左側の頬が腫れて、歯肉も腫れてしまったとのこと。
そこは以前に口内炎ができ、治りかけてきた頃、子供が遊んでいたおもちゃが顔に当たって、さらに傷ができるというダブルパンチを食らっていたところでした。

私に連絡をくれた前の日から、なんだか異和感を感じて、朝になったら腫れていたそうです。

実際に見てみると、確かに言う通り・・・。右側の頬と比べて左側が倍くらいに腫れていて、少し熱も持っているようでした。腫れた頬を触ると少し固く、あごの下、顔のエラのあたりまで腫れていて、だんだんとひどくなり、痛みも増していました。

生えかけの親知らずによる痛みかもしれないけれど、ぶつけてできた傷や口内炎から、ばい菌が入って腫れたのかな? そんな風にも思い、ひとまず歯医者さんに行って診てもらうように勧めました。



歯医者さんで診てもらったところ、やはり親知らずが原因でした。
親知らずが斜めに生えてきて、その周りの歯肉が腫れてしまっていたのです。

親知らずが腫れた

同じような経験をされたことがある方も多いのではないでしょうか。


そもそも、親知らずってどんな歯でしょう?
人間の歯は、子供の時に生えてくる歯『乳歯』が10本、乳歯が抜けてその後に生えてくる『永久歯』が28本で、18歳頃までの間にほぼ全ての歯が生え変わり、永久歯列が完成します。

親知らずはその後に生えてくる第三大臼歯と言われる歯のことで、固い物を噛む機会が減り、あごが退化してしまった現代では、親知らずが生えてくる顎のスペースがなく、初めからない人、あっても表に出てこない人がいます。

かくいう私も、下には2本親知らずがありましたが、上はありませんでした。

親知らずは6歳臼歯と言われる第一大臼歯、12歳臼歯と言われる第二大臼歯に続く歯で、18歳臼歯とも言われます。その名の通り、18歳頃に生えてくる人もいますし、20歳を過ぎてから、中には30歳を過ぎてから生えてくる人もいます。

親知らずは、
ない人もいて、あっても生えてこない人もいる、他の大人の歯とはちょっと違う歯
と言えますね。

患者さまの中には「私、親知らずがないみたいなんですが、おかしいでしょうか?」と心配される方がいます。
なくてもおかしなことではありませんし、あることが変なこと、というわけでもありません。個人差があって、人それぞれなのです。

親知らずは歯の中でも一番奥にあるので、磨くのを忘れてしまいがちな歯です。なかには歯医者さんで指摘されるまで、自分の口の中に親知らずが生えていることを知らない人もいます。むし歯になっても気づきにくく、まっすぐ生えてこない場合は周りの歯や歯肉に悪影響を及ぼすことがあるので、抜歯することが多い歯でもあります。

しかし、すべての親知らずが抜歯した方がいいというわけではありません。
親知らずを抜いた方がいい場合と、抜かなくてもいい場合があるのです。

まず、親知らずを抜かなくてよい場合についてみていきましょう。

  1. 親知らずがまっすぐ生えている

    他の歯と同じように、まっすぐに生えてきている場合は抜かなくても大丈夫なことが多いです。また、上下ともに親知らずがあり、しっかり噛み合って、歯としての機能を果たしている場合は、抜かずにそのまま使うことができます。
  2. 親知らずに歯肉が被っていない
    親知らずがまっすぐ生えていても、歯肉が被っていると細菌が溜まり、歯周病の炎症を起こしやすくなります。被っている歯肉をとることで、細菌が溜まりにくくなり、抜かずに済むこともあります。
  3. 手前の歯に大きなむし歯があり保存できない、またはすでに抜けてしまっている
    この場合は、噛む機能を守るために親知らずを抜かずに残す、という選択をすることがあります。
    もちろん、親知らずが健康な状態であることが大前提。親知らずもむし歯で、歯周病になっている時は、この場合に当てはまりません。
  4. 親知らずが深くに埋まっていて、周りの歯や歯肉に悪影響がなさそう

    親知らずが深くに埋まっていて、前の歯にもぶつかっておらず、今の所悪影響がなければ、そのまま放っておきます。定期検診で状態をチェックして、周りの歯や歯肉に悪影響を与える時には対処するようにします。
  5. 悪影響があると分かっていても、どうしても親知らずを抜きたくない

    このような方もいらっしゃいますね。

    「どうしても歯を抜きたくない!!絶対に嫌だ!!」

    その気持ちはわかります。どうしても抜きたくない、そんな時はとりあえずそのままにしておきましょう。しかし、抜かないことで起きるであろうトラブルをきちんと理解しておくことは大切です。臭いものに蓋をしても問題は解決されませんので、毎日の歯磨きで気をつけ、定期検診でチェックすることは忘れずにしてくださいね。

では次に、親知らずを抜いた方が良い場合についてみていきましょう。

  1. 親知らずが横向きに、または斜めに顎に埋まっていて手前の歯にぶつかっている
    完全に顎の骨の中に親知らずが埋まっている状態です。
    正直、これではこの先、生えてくる見込みはないでしょう。問題は、親知らずが手前の歯にぶつかってしまっていることです。このような状態だと、手前の歯との間に歯周病菌が溜まる深いポケットができ、歯周病が進行します。親知らずだけでなく、その手前の歯も失うことになりかねません。このような場合は手前の歯を守るためにも抜歯をお勧めします
  2. 斜めに生えている(生えてきたけれど途中で止まったままになっている)

    この状態も、前述の1同様、歯周病の進行を招きがちです。このような場合は歯肉が親知らずにかぶさっていて、頭がちょこんと見えているだけということが多く、とても細菌が溜まりやすいのです。歯磨きが十分に行き届かず、歯肉の炎症を起こして、口臭の原因になることも多く、歯磨き時に出血することもあります。親知らずが完全に生えるまでは多少時間がかかるのですが、1年以上も同じ状態で、これ以上生えてくる見込みがないという場合は、抜歯をお勧めします


このような状態で永く過ごしていると、腫れや痛みを繰り返しがち。
腫れや痛みが出てもしばらくすると治る。その状態を何度も繰り返しながら、むし歯や歯周病が進行していきます。また、親知らずが横向きになっていたり、斜めになっている場合では、隣の歯にぶつかって歯が押され、ひどい場合、歯並びが変わってくることもあるのです

心当たりがある方は、抜いたほうがいい親知らずなのかどうか診断してもらうこと。また、抜かなくていい場合はどのようにセルフケアして行くと良いかをしっかり診断してもらうことです。

個人的に、特に女性はこの親知らず問題を早めに解決することをお勧めします。
妊娠をきっかけに、親知らずのトラブルに悩まされる、という女性を私は多くみてきました。


女性は、妊娠するとホルモンの変化による歯肉炎を起こしたり、食生活の変化や悪阻によって十分に歯を磨けなかったりと、口腔内が不潔になる要因が多くなります。生理の時にいつも歯肉が腫れて終わると治る、なんていう人も要注意です。体の変化は、それだけお口の中に影響を与えるのです。

妊娠初期は心身ともに不安定な時期で、歯の治療がストレスになることもあります。また、痛み止めや化膿止めなどのお薬も服用できないことがあります。
そんな時は、歯磨きと消毒で耐え続けるしかない・・・ということになりかねません。痛みを耐え続けなければいけないなんて、なんと辛いことでしょう・・・。
朝起きてから寝ている間までも歯の痛みに悩まされるとは、考えただけでぐったりするような話です。もちろん個人差はあるのですが、妊娠初期の時期にこんな出来事が重ならないように、早めに対処するようお勧めします

このように、親知らずは状態によって診断が様々に変わってきます。
なんだか少し厄介な歯に思えますが、あなたのお口の中はどうでしょう?

親知らずが痛い!そんな時にすぐできる対処法としては、

  1. やわらかい歯ブラシで優しくみがき、汚れを取る
  2. 殺菌や消毒成分のあるうがい薬を使って消毒する
  3. 痛み止めを飲んで、一時的に痛みを抑える
  4. 疲れたり体調を崩した時は免疫力が下がり、痛みが出やすくなるので、栄養ある食事と睡眠をしっかりとって、体を休ませる

といったところでしょうか。

これは一時的な対処法で、これで治るというわけではありません。痛みや炎症がある状態で歯を抜くと、腫れがひどくなったり、その後の治りが悪くなったりすることがあるので、まずは腫れや痛みを抑えることが大切です。そしてきちんと歯医者さんでみてもらうことをお忘れなく。


今回は親知らずという歯にクローズアップしてお話ししました。
あなたのお口の中はどうなっていますか?

あべひろ総合歯科には院長先生をはじめ、
親知らずのスペシャリストが多く在籍しています

ぜひ、4ヶ月に1度は定期検診でチェックしてみてください。

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あべひろ総合歯科は、地域貢献のため、新患さん・急患さんを随時、受け付けております。

地域の支援と患者さん一人ひとりをしっかり診ていく、という診療方針を掲げ、近隣の流山市や草加市、都内などからも来院頂ける歯科医院に成長してきました。
基本を忘れず、すべての患者さんに対して、そして自分自身に対して正直でありたいと考えております。お口のことなら何でもお気軽にご相談ください。