親知らずを放置されています患者様へ
眠った親知らずをそのままにしていませんか?
もし親知らずが変な方向に生えている、もしくは少しだけ頭が出ているという状況だととても危険です。
変な方向に生えていたり埋もれている状況ですと、
隣接している歯がむし歯になったり、歯周病が進行していく原因になることがあります。
また、親知らずがあることだけで腫れたり、痛みが出ることがあります。重要な予定や頑張らなきゃいけない仕事が入っている時、妊娠中に限ってそういった症状が出ることがよくあります。それは、体の抵抗力が落ちていたり、ホルモンのバランスが崩れているからです。
その親知らずの治療方法は、応急処置の場合は薬の処方のみですが、根本的な改善を希望される場合は抜歯をすることになります。
歯を抜くと「痛い」「腫れる」というイメージを持たれる方も多いと思います。しかし実際は下の親知らずを抜歯する場合は、術後に痛みや腫れの症状が出る場合もありますが、上顎の親知らずは「痛い」「腫れる」といったことは非常に”まれ”です。
親知らずをそのままにして良いのか?
症状が出にくい状態であれば無理に抜歯する必要はないでしょう。
しかし、痛みが出始めたり、一度痛みは出たが落ち着いたからといって放置をしていると、えてして重要な行事や仕事の時に症状が悪化したり、痛みが増大するケースを多く見かけます。それは先にお伝えしたとおり、ストレスや心身的な負荷によって体の抵抗力が落ちている時にこそ悪化するからです。
知っておかないといけないことは、一度症状が出ると、再発するということです。症状が出た場合は、細菌感染が起きてしまっている。または不潔域の環境になっていますので再発しやすいのです。
そしてそのままの状態をしていたら、本来は健全だった隣接している歯まで悪化してしまい、1本どころか複数の歯を処置しなければならなくなります。最悪は、奥歯の隣接した歯が抜歯に追い込まれてしまうこともあります。
親知らずを”抜くか””抜かないか”は、痛いかどうかが基準ではありません。
抜くかどうかはまず一度専門家に診てもらい、親知らずを残すことのリスクと抜歯した時の予防効果があるかを知る必要があります。事前にご自身の状態を理解しておいた方は良いに違いありません。
お問い合わせはこちら 048‐950‐2525
親知らずに関する、知って得する医学的情報
抜いた方が好ましい場合
・腫れや痛みがある時
・変な方向に生えている、または埋まっている状態
・化膿している
・プラークコントロールができない環境
・歯周病が重度に進行している
・抜歯することによって隣接している歯の予防効果が見込める時
(むし歯や歯周病の予防効果、磨きやすい環境にする)
抜かなくてもいい場合
・親知らずがまっすぐ生えている時
・危険因子がない状態でプラークコントロールができている場合
・ブリッジの支えになっている場合
腫れるってホント?
一概には言えませんが、
以下のような方は切開剥離(切って開くこと)を行った場合に腫れることがあります。
・出血傾向が高い(血が止まりにくい)方
・肝臓の状態が良くない方
・歯が潜っている方
最新の医療
親知らずを抜歯して神経細胞を保存
この神経細胞をips細胞として将来の臓器再生医療に活用できるように保存する方法があります。当医院で受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。
抜歯を決意した患者様の声
20代女性の患者さんが難抜歯を希望された時のコメントです。
「下の前歯(下顎前歯)の歯並びが少し悪くなってきて、親知らずが生えてきて押されているからだと思ったので、将来不安になった。」
「また、大学病院で埋伏して水平に生えていて隣接している歯(7番)の根が吸収していると言われて早く抜きたいと思った。
周りの子たちが20歳を過ぎた頃から結構抜いているから。妊娠前に処置をしておいたほうが良いと思ったので決意しました。」

あべひろ総合歯科の親知らず治療についてのご案内
私は歯科医師になってから、多くの患者様に対して親知らずの治療を行ってまいりました。
他の歯科医院様で行っていただけないケースやリカバリーなどもあり、現在、年間800本以上の親知らずの抜歯を行っています。
親知らずを抜く治療は、知識と経験、そして医療環境がとても大切です。
今まで積み重ねてきた知識と経験、そして最新の医療機器が私の自信と患者様にとっての安心感となっていると思います。
時に解剖学形態から危険性が高い場合は大学病院と連携をとっております。
親知らずの処置の流れ
1.レントゲン写真撮影(パノラマ)にて、概略の診査・診断を行います
患者様のお話しを聴かせて頂きながら、お口の中を拝見して親知らずの状態、歯肉の状態を確認します。
必要に応じてCTを撮影することもあります。
抜歯する必要があるか、そのままにするかの判断を客観的にします。親不知の根元付近には大きな血管と神経が走っていますので、角度的な問題、位置関係を確認します。
2.患者様への説明
口腔内およびレントゲンの情報をもとに説明を行います。抜くべきか、経過観察にするのか、理由と共に丁寧に説明をさせて頂きます。不安な点や、不明点があればお気軽にご相談下さい。
抜歯の処置を行う場合には、今後の治療の流れや、処置内容と大体の処置時間、術後の想定される症状をお伝えします。基礎疾患や薬剤のアレルギーもチェックします。
難症例によっては大学病院へご紹介することもあります。
3.当日の体調確認(抜歯する場合)
抜歯の処置を行う前に当日の体調確認
4.痛みを取り除くのための麻酔
『歯を抜く』と聞いて、最も心配なのが痛みだと思います。当然、痛みが出ないように麻酔をしますが、この麻酔自体も痛くないように工夫をしています。不安があれば、お気軽に歯科医師にお伝え下さい。
麻酔が一度効いてしまえば、痛みのある状況で処置をするということはありませんのでご安心ください。
5.抜歯の処置
症例にもよりますが、簡単なケースですと1分で抜けてしまうこともあります。埋伏していて少し難しいケースでも、30分以内に終わるケースがほとんどです。
なるべく患者様の負担が少ないような処置を心がけていますので、どうぞご安心下さい。
抜歯が終了したら、止血確認をして終了です。必ず抜歯の注意事項はお守りいただくようご協力願います。
6.予後の確認
難症例やリスクが高い症例に関しては、近日中に消毒や経過観察をさせていただくことがありますが、たいていの場合は、1週間後に抜糸(ばついと)します。
7.抜いた箇所の治癒について
腫れや痛みは個人差がありますが、通常1週間程度で収まってきます。
その後抜いた場所がくぼんでいますため、ものが詰まりやすかったり、手前の歯が知覚過敏になってしまうことがありますが、歯肉が治って(約2か月程度)、骨が治ってくれば(約4か月程度)詰まる・しみるは落ち着いてきます。
難抜歯をした場合の治療後の解説
特に埋伏した下の親知らずを抜いた場合
処置の内容によって変わってきますが、通常の腫れであれば1~3日後がピークで、一週間程度で無くなっていきます。組織がすう疎(うすい)、もしくは大きな処置、血管がもろい方などは、内出血で少しあざの様なものが出ますが、約1~2週間で消失してきます。
痛みのある場合は、鎮痛薬を服用し続けます。

抜歯後の麻痺感について(偶発症状)
下顎の親知らずは太い血管と神経が近接していることがあります。その場合稀に抜歯時に損傷する場合があります。違和感や麻痺感という症状です。通常は数か月ほど時間がかかりますが、徐々に回復してくるのが一般的です。
よく腫れてくる症状(症例解説)
もしも、あなたがこのような状況になっていたら、大きなリスクを抱えています。
必ず歯科医院で診てもらいましょう。
矢印にあるように、頭(咬頭)が少し出ているのが不潔域となって問題が生じます。
一般的に言われる埋伏した難抜歯症例の状況
・水平埋伏した親不知ず
・埋伏して神経に近い症例
ご相談はこちらへ予約 048‐950‐2525
難症例の治療方法
治療内容の概略
*この治療法は、代表的な治療法を記載したもので実際に患者様が受ける治療とは異なる場合もあります。
1 智歯のある部位の歯肉とその前の歯肉(第二大臼歯部頬側歯肉)に麻酔をうちます。
2 切開を下の図のように行います。
切開によって歯肉を開いて、智歯と骨が見えるようにします。
3 そして、歯が見えるように骨を少し削ります。
4 歯冠と歯根をタービンにより分割し、歯冠の部分を取り出します。
(※ 歯根の形によっては歯根を分割し、抜歯します。)
5 抜歯されたところにつまった汚れを掻き出します。
6 切開した創を縫い合わせます。
7 最後に止血のために約10分程度ガーゼを噛んでもらいます。
起こりうる偶発症と危険性、抜歯後の注意事項について
※以下の説明を受け、理解してください。
出血:
圧迫止血にて、通常、抜歯した後の穴に、血の塊ができ、止血します。高血圧症や薬剤により血が固まりにくくなっている場合など、全身的な問題を有する場合には出血のリスクが高まります。術後1~2日の間、唾液に血液が混ざったり血の味がする程度の出血は問題ありません。術後、創部周囲や顔面の皮膚に内出血斑(青あざ)が現れる場合がありますが、発生頻度は低く、生じた場合でも数週間で消失します。
痛み・腫れ・発熱・機能障害:
術後、場合により、3~4日の痛みや腫れ、発熱が考えられますが、長い場合でも約1週間で治まります。
感染:
術後の経過や全身疾患等により術後感染や治癒不全の可能性もありますが、発生頻度は、非常に低いものです。
神経麻痺:
下顎神経に智歯の根の先が近く、その枝が、智歯の歯髄にも分布して歯の痛みなどを伝えます。智歯を抜くことで、木の枝をむしりとるようになることから、下顎神経の本管が一部、傷つきオトガイ部に知覚低下が出現することがあります。発生頻度は2~3%でそのほとんど(99%以上)で、1年以内に知覚が回復しますが、まれに軽度の知覚低下を認めることがあります。
また、きわめてまれですが(10万分の1以下)、舌神経の麻痺を生じることもあります。
ドライソケット:
抜歯した後の穴に生じる血の塊が分解、消失してしまうと、歯槽骨が露出し骨が乾燥してしまうことで激しい痛みを伴います。
血餅(血のかたまり)
顎関節症状:
非常に難しい抜歯の場合には、長時間、お口をあけておいていただかねばならない場合があります。そのような場合には、非常にまれですが関節に痛みを生じる場合があります。現在、顎関節に痛みや口を開けた時に音がする方は、その可能性が高くなりますが、一時的なものがほとんどです。
全身的な偶発症:
手術中に緊張などにより血圧の上昇や貧血などの症状が出現した場合には、やもうおえず手術や処置を中止する場合があります。
手術後の注意事項 ※以下の説明を受け、理解し守ってください。
手術後は:
しばらく麻酔が効いています。傷口を触ったりしない様に注意しましょう。また鎮静法を施行した場合や治療内容によっては、術後の安静が必要になる場合があります。術後24時間もしくは完全に麻酔薬と薬剤の影響から回復するまでは自動車やバイク等は運転せず、危険な器械を扱わないようにしましょう。
食事:
医師に指示された期間は固い食物や刺激物を避け、手術部位に負担をかけないようにしましょう。また義歯は一定期間使用の制限や調整が必要になる場合があります。
お薬・抗菌剤:
感染予防のためのお薬です。特に副作用がない限り、歯科医師の指示に従い必ず服用しましょう。
鎮痛消炎剤:
腫れと痛みをやわらげるお薬です。歯科医師の指示に従い服用しましょう。
その他:
うがい薬等を処方する場合があります。歯科医師の指示に従い使用しましょう
入浴・飲酒・運動:
手術当日の入浴や飲酒、運動等の血行を促進する行為は、手術部位からの出血を憎悪させる危険性がありますので避けてください。術後1~2日の間、唾液に血液が混ざったり血の味がする程度の出血は問題ありません。また原則としてお薬を内服中の飲酒は禁止です。
歯みがき:
歯磨きは良く行ってください。ただし傷口に歯ブラシをあてたり、強くうがいをしたりしないでください。